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【英語ニュースを読む】CNNニュースによるトランプ大統領の緊急宣言のファクトチェックを読む パート1

先日、トランプ大統領が非常事態宣言を行いました。
ニュースでは、安倍首相がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦したかどうかの記事がクローズアップされていますが、今回は全体のファクトチェックを見ていきたいと思います。

【英文ニュース】CNNニュースより

壁はたくさん作られたのか?

Trump: “I built a lot of wall. I have a lot of money and I built a lot of wall.”

“私は多くの壁を作った。私はたくさんの資金で、多くの壁を作った。”
CNNは次のように言っています。

As of Friday, no new miles of wall have been constructed during Trump’s tenure, but preparations are underway.

“金曜日時点で言えば、トランプ政権の下では、今のところ新たな壁は建設されていません。しかし、準備は進行中です。”

壁建設は主に新しい壁は建設されていなくて、すでに建てられているところに再建設するという形をとっています。
しかし、税関・国境取締局(CBP)は約14マイルの壁建設の契約は行っていて、テキサス州のリオグランドヴァレーでの建設は今月中にも始まるのではないかと考えている模様です。付近の町では政府の強引な手法があったことが記事になっています。

【結論】現時点では新しい壁は建設されていません。しかし、着手へ向けて準備は整ってきているようです。

ドラッグはどこから来ているのか?

Trump: “A big majority of the big drugs, the big drug loads don’t go through ports of entry”

“ドラッグの多くは入国管理の通関を通ってきていない。”

CNNによると、ドラッグの多くは通関を通って来るときに摘発されているといいます。例えば、南部国境を通ってアメリカへ入ってくるヘロインなどは、合法的な通関を通り抜けてきているとのことです。またメタンフェタミンという覚せい剤の一種も同様で、CBPによって通関において67,292ポンドが捉えられ、国境警備によって捉えられる10,382ポンドに比べると、通関で摘発される量のほうが多いことが報告されています。

【結論】トランプ大統領の「the big drug roads」が何を示しているかが不透明だが、多くのドラッグは通関(ports of entry)を経由して流入してきている。

オバマ元大統領は最も多額の債務をつくったのか?

Trump: “President Obama put on more debt on this country than every president in the history of our country combined.”

“オバマ元大統領はより多くの債務をこの国にもたらしました。それはアメリカの歴史上のすべての大統領の中で最も多いものです。”

コチラのグラフはアメリカの公的負債の推移です。

オバマ政権は2009年から2017年までの期間です。確かにこの期間中でアメリカの公的負債はおよそ2倍に膨らんでいます。しかし、それはブッシュ政権時の大規模な財政出動によるものであり、むしろオバマ政権はインフレーションに対応するため、GDPに占める割合で言っても少なかったとCNNは言っています。

【結論】トランプ政権では初めて負債額が22兆ドルに達するなど、トランプ大統領も同様に負債額については言えた義理ではないのではないか。

関税政策は間違っていないのか?

Trump: “China is paying us billions in tariffs.”

“中国は私たちに数十億ドルの関税を払っている。”

トランプ大統領は関税によって得られている金額を、歳入としての総額で語りたがるが、誰がその関税を払っているかというと、海外製品を輸入するときのアメリカ企業であり、そのアメリカ企業は関税増の分を消費者価格に転嫁せざるを得ない。また企業も利益を減らすか、雇用を減らすかなどをして対応しなければならない。また中国のサプライヤーもアメリカでの優位性を得るために価格を低く抑えてくるかもしれない。

こうなったときに、アメリカの製品はより安い中国製品との競争にさらされることになる。そして、その影響は賃金に現れるし、コスト減による雇用の減少に影響を及ぼしていくと書かれています。

【結論】関税増により税収は増えていくかもしれないが、アメリカ企業への負の影響もあり、それは労働者にたいして最も端的に表れてくるのではないか。

国境付近では事件が多いのか?

Trump: “Two weeks ago, 26 were killed in a gunfight on the border a mile away from where I went.”

“2週間前に26人が銃による争いで殺されましたが、そこは私が訪れたところから遠くない所です。”

そもそも本当にそんな事件はあったのか?CNNは次のように書いています。

The President visited McAllen, Texas, in January, but CNN has found no reports of 26 people killed in a gunfight within a mile of the area Trump visited.

トランプ大統領は、1月にテキサスのマッカレンを訪れたのですが、そのエリア内で26人が殺された銃撃戦は報告されていないらしいです。

マッカレンから北に130マイルのところにあるメキシコのミゲール・アレマン(Miguel Aleman)という国境付近の町で警備隊と襲撃者との間の闘争は起こっていたようで、24人の死亡が確認されているようです。この事件では国境警備の兵士が狙われ、殺されています。

【結論】トランプ大統領の主張がどこの町での事件なのか確かでない。国境付近の町で起こった事件を挙げることで、壁建設の正当性を主張したかったと考えられる。地理は間違っているかもしれないが、メキシコ内で、国境警備の兵士が狙われた事件は事実として存在する。

この続きは後日記事にしたいと思います。