政治・経済・歴史的な

【英語ニュースを読む】ベネズエラで起きていることは、もう無視できない。

今ベネズエラでは二人の大統領が名乗り、それぞれのバックにアメリカ、ロシアがついているというなんとも不穏な空気が漂っています。無視できない展開になっていきそうなので、少し状況を見ていきたいと思います。
【英語ニュース】BBCからです。

誰が大統領か?

普通であれば大統領はひとりだけであり、大統領は誰?なんていう問いはあり得ないと思います。でも今ベネズエラで起こっていることはそのあり得ない事態なのです。

2018年の大統領選

2013年に故チャベス大統領からマドゥロ大統領へ力が移りました。そして2018年5月に再選されるのですが、その時に異常な状況でマドゥロ大統領は再選を果たしたのです。

Many opposition candidates had been barred from running while others had been jailed or had fled the country for fear of being imprisoned and the opposition parties argued that the poll would be neither free nor fair.(上記BBC記事より)

対立候補者たちは活動を禁止され、なかには監禁されたりベネズエラから逃れる者もいて、諸反対政党はその選挙は自由もなければ公正さもないと主張しました。

活動を禁止された人々の中に、2013年大統領選で僅差(1.5%差)で敗れたカプリレスも含まれていました。ようはその選挙はマドゥロ大統領の勝ちになるようにいろいろ操作があったということです。

また反対政党にもいくつか思惑があり、足並みがそろわなかった点もあるようです。アルジャジーラが論じています。

But the coalition faced internal division between those who think that taking part in this election would legitimise Maduro’s rule and those who believe that participation is an opportunity for change.

それによると、その同盟(ここではThe Democratic Unity Roundtable (MUD)を指す)が直面したのは彼らの中における分裂で、選挙に参加すればマドゥロのルールに従わざるをえなくなると考える人たちと、一方で政権交代のチャンスだと捉える人たちとに意見が分かれてしまったのとこと。

しかし、マドゥロ大統領の方法に対する疑問は明確であり、議会は選挙は不公正であり、大統領の座は空白だと宣言しました。

The National Assembly argues that because the election was not fair, Mr Maduro is a “usurper” and the presidency is vacant.

“Usurper”という語は正当な手続きを踏まずに権力の座に就く人間のことです。ウィキペディアにこんなリストがありましたので載せておきます。

もう一人の大統領

そんな中で名乗りを上げたのが、若干35歳のグアイド氏(Juan Guaidó)です。そして彼は次のように言いました。

The man who proclaimed himself acting Venezuelan president — in open rebellion to President Nicolas Maduro’s regime — called on the nation’s military Friday to work with him.”Come to the side of the Venezuelan people,” Juan Guaido said in a message aimed at the armed forces.(CNNニュースより)

彼は自身こそがベネズエラの大統領だと宣言し、軍に対してベネズエラの人々の側で行動するように呼びかけました。軍の管理が権力の維持には必要だと考えているし、彼に属する軍ではなくベネズエラの人々のために、と主張していることが重要だと思います。では軍はどのような反応を示したのでしょうか?

1月27日GMT3:45(日本時間で13時頃)にアップデートされたCNNニュースは次のように言っています。

Venezuela’s military attaché in Washington, Col. Jose Luis Silva Silva, told CNN that he’s breaking with President Nicolas Maduro and supporting Juan Guaido, the self-proclaimed interim president.
“I stand by the roadmap of acting President Juan Guaido,” Silva said on a video shared on social media.

べネズエラの大使館付き陸軍武官のホセ氏は、ワシントンでCNNに対してマドゥロ大統領との関係を終わらせグアイド氏をサポートすると、ソーシャルメディアを通して言ったとのこと。これはグアイド氏にとって強い追い風になると考えられます。

グアイド氏の考える経済政策

グアイド氏の経済政策について、具体案が書かれている記事を探してみましたが見つけられませんでした。しかし取るべき方向は酷すぎるといえる現状を変えることであることに間違いはありません。

ではベネズエラは今どんな経済状況下にあるのでしょうか?

ベネズエラの経済状況

ベネズエラは1970年代から豊富な石油によってアメリカドルを得ることができ、非常に豊かな国でした。こちらの図がベネズエラの国民一人当りのGDP(GDP PER CAPITA)です。

1970年後半にピークを打ち、その後は下降し続け、2003年に底を打ちました。そしての後上昇を始めています。このグラフに原油価格の推移を重ねてみると次のようになります。1980年以降は原油価格に大きく依存していることが分かります。


しかし一方で、1980年までは原油価格とGDP値の相関は小さいように見えます。この時代は石油への依存が2000年以降に比べて小さかったといえるのでしょうか?
2000年以降のベネズエラ経済は1998年に大統領に就任したチャベス氏による経済政策です。ベネズエラの経済の内容は、

  • 1980年まで
  • 1980年~1998年
  • 1998年以降
  • で見ていく必要がありそうです(今後記事にしたいと思います)。

    インフレ率の上昇


    2013年からインフレ率の上昇が始まっています。この年の3月5日にチャベス大統領が死去し、マドゥロ大統領が誕生した年に当たります。原油価格の下落による歳入減少と、チャベス路線を踏襲したことによる経済不振・外貨獲得の失敗などが原因にあるといえます。

    アメリカとの原油の取引額をみてもずっと減少していることがわかります。

    (棒グラフ:全輸入額、線グラフ:ベネズエラからの各月輸入額)
    この図はアメリカのベネズエラからの原油及び石油製品の輸入額と総輸入額の推移です。アメリカはベネズエラから原油関連品の輸入を一貫して減らしていることが分かります。

    一方で輸入総額としては上昇と減少がありますが、アメリカはベネズエラ以外の国から定量を輸入しています。このアメリカとの取引量の減少がベネズエラ経済に与えた影響は大きいのではないかと考えることができます。

    次に起こることは何か?

    ベネズエラは産油国であり、その資源目的で様々な国の思惑が入り込んでいます。今後は再度“民主化”の意味が突きつけられでしょうし、IMFとの関係も気になるところです。長きにわたる経済不振で移民も増えており、もうすでにベネズエラ一国だけの問題ではありません。
    今後も注意してみていく必要があります。