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【英語ニュースを読む】トルコのエルドアン大統領とクシュナー氏の対談の目的

トルコのエルドアン大統領とクシュナー氏の対談の目的

先日、ベトナムでは、トランプ大統領とキム・ジョンウン委員長による首脳会談が行われました。北朝鮮の核問題が最大の争点と言われており、どのように決着・折り合いがつくのか世界が注目しているという状況でしたが、合意には至らずということでした。

一方で、トランプ大統領の側近たちである、トランプファミリーの方々も精力的に動きをみせています。
娘のイヴァンカさんの記事もありましたが、本日は、イヴァンカさんの旦那であるジャレッド・クシュナー氏のトルコ・エルドアン大統領との接触がありましたので注目していきたいと思います。

【本日の英語ニュース】ジャパン・タイムズより

トルコのエルドアン大統領との会談が行われたという記事です。

トルコのエルドアン大統領とクシュナー氏の対談の目的とは

アメリカ軍の撤収撤回に伴う今後の動き関する話し合い

Kushner’s visit follows from Trump’s shock announcement in December — welcomed by Ankara — that he would withdraw 2,000 American ground troops from northern Syria.

“クシュナー氏の訪問は、昨年12月におけるトランプ大統領によるトルコには歓迎された、衝撃的な発表だったシリアから2000人のアメリカ軍を撤退させるアナウンスの結果として起こっています。”

昨年末に、トランプ大統領による、サプライズ的なアメリカ軍のシリアからの随時撤退のアナウンスが行われた一方で、今年に入ってから一部を残留させる方向に転換しました。この展開についての今後が話し合われたのではないかと思います。

トルコは2011年にアメリカがシリアの化学兵器使用に対抗して軍投入に踏み切ったとき、それを支持していました。しかし現在は、もともとアメリカがサポートしているクルド人民防衛隊(YPG)をテロリストと名指ししてきた背景もあることから、アメリカとの協調という点において、以前とはだいぶ違ったものになってきていると考えられます。

また、アメリカの介入は、ISISの誕生・勢力拡大を招き、それに対処することがアメリカの目的にもなっていきました。ISISと主に戦ってきたのはYPGであり、アメリカはYPGとの間においても緊張関係をつくってきています。

そんな中での昨年のトランプ大統領による撤収宣言あったのですが、それはISISとの戦いは終わったという形でなされました。

しかし、一部の議員はトランプ大統領に撤収を再考する旨の手紙を送っており、今回の方針転換に一役買っています。

In a letter to Mr. Trump, Mr. Graham and five other senators, from both parties, implored him to reconsider his decision, warning that a withdrawal would embolden the remnants of the Islamic State, as well as the Assad government, Iran and Russia.

“トランプ大統領への手紙の中で、グラハム氏と他の5人の上院議員は、党派を超えて、決定を見直すように訴えました。彼らは撤退がイスラミック・ステートの残りの部分に復活の機会を与え、またアサド政権・イラン・ロシアに対しても同様であると警告しています。”

手紙を送ったのは、リンゼイ・グラハム、ジョニ・エルンスト、トム・コットン、ジェーン・シャヘーン、アンガス・キングJr、マルコ・ルビオの5人です。彼らの主張を見ると、シリアを中心にしたアメリカの影響力の低下を問題視するということでしょうか。

こういった国内の影響を受けてなのか、トランプ大統領は“safe zone:安全地帯”の設定を主張しました。

現在、シリアを巡っては、北部に安全地帯をつくることが一つの目標になっており、これは、言ってみれば、領土争いの形になってきているのではないかと思います。トルコはクルド勢力(YPG)をManjibより東にあるユーフラテス川の向こう側まで引くように要求していますし、クルド勢力はそれを容認していません。

トランプ大統領による軍の一部の残留も、この安全地帯をめぐる動きと言えます。こちらの記事にシリア北部をめぐる各国の主張がまとめられています。

アメリカのバックアップとYPGによって先導されているシリア民主軍(SDF)は、安全地帯の構築には賛成しているが、それは国際的な保証を必要とするし、トルコを念頭において、外国勢力による介入があってはならないと主張しています。
例えば、このように言っています。

“We will offer all the support and assistance to set up the safe zone that is being discussed, in a way that guarantees the protection of all co-existing sects and ethnicities from annihilation,” the group said in a statement on Wednesday.

“私たち(SDF)はあらゆるサポートと支持を現在協議されている安全地帯を構築するために提供するつもりです。そしてそれは、すべての共通した存在や民族を消滅から保証する中でのみ可能でしょう。”

アメリカはトルコの主張と、SDF&YPGの主張との間において難しい状況にあると思われます。SDF&YPGはISIS掃討の最大の功労者であり、アメリカはバックアップを続けてきたからであり、トルコにおいてはロシア・シリアとの関係で無碍にできないからです。

それゆえに、クシュナーしとエルドアン大統領の間で行われた話し合いは、今後の中東情勢について動きがあるということであり、注視する必要があると思います。