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【本を読む】町屋良平さんの『1R1分34秒』を読む

それほど長くない。

2時間、3時間ぐらいだろうか、比較的短い時間で、最後まで読み切ることができる。

読んでいる間の、その時間はどこかゆっくりと流れている感じ。
それでも、テンポはよく、リズムを楽しみながら。

ボクサーである主人公の語りが中心である本書において、確かに主人公はよく悩み、考え、そして語る。
iPhoneを手にした友人、彼女、試合相手、ウメキチといった登場人物へと視点を小刻みに、リズミカルに、ジャブを打つように移動させ、語りを一点に飽和させていない。

読むことがまるでダンスをしているかのような、気持ちの良さを与えてくれる。
言葉とダンスをすること。

本書は文学作品に詳しくなくても、時に自然が語るこの書は読むことの楽しさを教えてくれるが、
そしてそれは同時に、有益な情報を得るための手段としての読書ではない、読書について、私たちの生きることそのものについての問いを教えてくれるような読書体験を与えてもくれるような気がします。